EPS2018@プラハに参加してきました(小川研究室)

EPS2018@プラハに参加してきました(小川研究室)

小川研究室修士2年の横山です。後期(A1ターム)も始まり、秋の風が吹き始めていますが、今回は7月に参加したヨーロッパ物理学会(EPS)について報告します。

今年のEPSはチェコ共和国の首都・プラハで行われました。プラハは世界で最も美しい街とも言われています。石畳の道路を歩けば、両側には白い壁に赤い屋根の建物が立ち並び、歩くだけで異国情緒を満喫できる街でした。(航空機のトラブルなどもあって)学会初日の早朝にプラハに降り立ってから会場までの道を歩く僅かな間でも、美しい町並みに圧倒されてしまうほどでした。

学会はモルダウ川に浮かぶ島にある会場で、5日間に渡って行われました。多数の講演を聴講したほか、自分の研究内容のポスター発表も行いました。私の研究テーマは「機械学習を用いたプラズマ消滅現象の予知」なのですが、近いテーマを研究している人は国内ではなかなか少ないのが現状です。しかし今回のEPSでは、地元プラハの大学やアメリカのMITなどで同様の研究をしている研究者と交流し、有意義な意見交換ができました。

写真:ポスター発表で参加者に説明する筆者(写真中央)

さて,EPSが開催されたのは7月と,取り上げるには少々遅いようですが,実は最近の話題に関連するトピックもあります.開催地プラハの近郊には,ELI-Beamlines(イーライ・ビームライン)という,超高強度レーザーを使った研究施設があり,小川教授はこの施設の見学会にも参加しました.レーザーの強度は10PW(ペタワット)と,世界的にもトップクラスです.この超高強度レーザーには,今年のノーベル物理学賞を受賞したCPA(Chirped pulse amplification)という技術が応用されています.

写真:ELI-Beamlinesのエントランス

ちなみに,「ワット」は電力の単位で,電気エネルギーの大きさを表します.発電所1機の出力がおよそ100万kWと言われています.そして「ペタ」とは「1千兆倍」という意味なので,このレーザーの最高出力は,発電所100万機の出力に相当します.スケールの大きさがわかってもらえればと思います.

このような超高強度レーザーの応用先は様々なものがありますが,そのうちの一つに,実は「核融合」があります.「慣性核融合」と呼ばれる方法で,燃料のペレットに超高強度レーザーを照射して核融合反応を起こし,発電を行います.私達の研究している「核融合」は、国際的な協力無くしては実現できない研究分野です。これからも、国内にとどまらず、世界中の研究者と交流しながら研究を進めていきます。

先端エネルギー工学専攻HPの管理者

0 Comments

Leave a reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*