ベルギーでの研究生活

ベルギーでの研究生活

こんにちは、堀・藤本研究室修士1年の鈴木です。私は、9月中旬から10月の下旬までの一カ月半の間、共同研究でベルギーに滞在しております。ベルギーは、名前は有名であるものの、近隣のフランスやドイツなどと比べ、ヨーロッパの中では訪れたことがある人は少ない国なのではないでしょうか?チョコレートやワッフルなどが有名で、首都ブリュッセルには小便小僧があるなど、面積は小さいながら(日本の九州くらい)も多くの観光の魅力がある国です。またそれ以上に、中世の街並みが多く残り、歴史から一つの国に言語が複数存在するなど、ヨーロッパらしい特徴が多くある国でもあります。実際に、私が滞在しているルーベンという街はオランダ語ですが、電車で20分ほどの首都ブリュッセルではフランス語が日常的に話されていて、この近さで言語が変わることは非常に新鮮な体験です。

私の滞在しているルーベンは、ベルギーで最古の大学であるルーベンカトリック大学(1425年設立)が存在する非常に歴史のある学術都市です。多くの学生がおり、飲食店なども多く、勉強や研究生活を送るうえで生活しやすいと感じます。街中には、教会や市役所などの歴史的な建造物が多く残っており、またそれらがすべて徒歩でいけるサイズの城郭内にコンパクトにまとまっているため、散歩をしていて飽きません。

私の研究テーマは自動車の運動制御で、特に乗り心地向上のための振動抑制制御に取り組んでいます。今回共同研究で滞在しているのは、製造業のシーメンスの研究所です。ルーベンにシーメンスの自動車のテスト・シミュレーション部門の研究所があり、自動車の振動解析に強みをもっていることから共同で研究に取り組んでいます。実際に滞在して研究をしていると、自分とは異なるバックグラウンドを持った人との研究交流を通して新しい分野に対する知見が深まり、共同研究の有意義さを実感します。私がベルギーで取り組んでいる研究は、制御のための自動車のサスペンションの振動解析なのですが、私の専門の制御、そして相手の機械の知識を合わせお互いの専門分野の知見を持ち寄ることで、問題解決が図られ新しい可能性が見えることが共同研究なのだと滞在を通して感じました。

またヨーロッパの企業で社員さんとともに研究をする中で、仕事の取組み方の違いも意識しました。例えば、社員が皆定時の夕方5時~6時に帰ることは印象的です。サマータイムの影響もあり、夕方5時はまだ非常に明るい時間です。その時間に帰り、遊びに出かけたり、買い物をしたり、家でゆっくり過ごしたりなど、平日に多くの自分で自由に使える時間を持つことができます。その分、9月であっても起床時間の朝6時半ごろはまだ辺りが真っ暗で、朝が苦手な私としては完全に良いとは言い切れないところはありますが(笑)、平日の仕事終わりに明るい時間から自分の時間を持てるのは、生活に余裕ができていいなと感じます。

あと数日でベルギーでの共同研究も終わりを迎えますが、滞在を通して多くの経験が得られました。分野、言語、文化の違う環境での研究を通して、世界の中の日本、工学の中の電気・制御などの自分の立ち位置を再認識する機会にもなりましたし、日々の研究生活の中で漫然と過ごしがちな部分を改めて考える機会になりました。

帰国後も研究生活は続きます。今回このような研鑽の機会を頂いたことに感謝し、本共同研究の一層の発展はもちろんのこと、今回の経験を生かして日々の研究に取り組んでいきたいと思います。

先端エネルギー工学専攻HPの管理者

0 Comments

Leave a reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*