ベルギーでのインターンシップ

ベルギーでのインターンシップ

こんにちは。鈴木研究室修士2年の繪上です。
今回は私が昨年1年間参加した日欧産業協力センターのヴルカヌス・イン・ヨーロッパプログラムのうちベルギーはルーヴェンにあるSIEMENSで行った8ヶ月間の研究インターンシップについてお話したいと思います。
ルーヴェンはベルギーの首都ブリュッセルから電車で30分ほどの所にある街で、KU LEUVENという大きな大学があることで有名です。ベルギーではオランダ語の方言であるフラマン語が北部、フランス語が南部、ドイツ語がドイツ付近で使用されており、言語境界線が南北を隔てるようにはっきりと引かれています。(ただしブリュッセルはフラマン語圏に位置しているものの、主にフランス語が用いられています。) ベルギーは一つの国で複数の言語が話されているEUの縮図の様な国です。実際EUの本部などもブリュッセルに設けられており、様々な民族、言語が混在する多様性に富む国だと思います。ルーヴェンのあるフラマン語圏では英語もよく通じるため(英語、オランダ語、ドイツ語などは同じゲルマン語派に分類されるので似ている点が多いと思います。) 外国人である私にとっても非常に暮らしやすい街でした。
SIEMENSにはヨーロッパ各国から集まった研究者達がたくさんおり、色々な部署がありました。私が所属したのは複合材料に関するシミュレーションを行うチームで、研究内容としてはCFD(数値流体力学)を使った複合材料製造時の液体樹脂の浸透シミュレーションを行いました。流れに関する研究を行う鈴木研究室での経験を活かしつつ、企業で行う研究がどのようなものか知ることができる非常に良い機会だったと思います。
会社での生活は修士での研究生活とよく似ており、上司の方と定期的にミーティングを行いながら進めていきました。また、KU LEUVENから博士や修士の取得のためにSIEMENSに来ている学生もおり、自分と似た境遇の人たちと交流できたのはとても良い経験でした。
日本と大きく異なる点として、様々な国籍を持った方が英語を使って仕事をしているという点が挙げられます。私の記憶する限りでは、社内に英語を母語として話す方は一人もいなかったので、社員全員が第二言語として英語を使っていました。日本語と英語の違いを言い訳にすることができない環境は私にとって新鮮で、目の覚めるような思いでした。様々なルーツを持った方と同じ場所で働くというのはヨーロッパでは当たり前なのかもしれません。
みなさんもご存知かもしれませんが、ヨーロッパでは勤務時間に対する決まりが厳しく、私の場合は週39時間(月~木:8時間 金:7時間)と決められておりこの時間をオーバーすることは一度もありませんでした。ベルギーでは仕事以外の時間もとても大切にする文化がある様子が伺えました。一年間を通して、日本では当たり前のことが海外では違っていたり、海外で当たり前のことが日本ではそうではない、という事を体験することがよくありました。研究でもそうですが、広い視野を持つために一度海外に行ってみるというのも良い経験になるかもしれないと感じました。これらの経験を今後の研究生活の糧にしていきたいと思います。

写真はブリュッセルにある第一次大戦、第二次大戦で亡くなった歩兵戦士の慰霊碑です。よく見るとフランス語(左)とフラマン語(右)両方で追悼の言葉が書かれています。

先端エネルギー工学専攻HPの管理者

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