ノルウェーでの研究生活

ノルウェーでの研究生活

こんにちは。堀藤本研究室の特任助教清水です。今回は私が昨年末まで訪問研究員として活動していたノルウェーのトロンハイムの街と研究生活について紹介いたします。
トロンハイムはノルウェーの首都のオスロから北東に500kmほど離れたところに位置するノルウェーの代表的な都市のひとつです。街の中心はトロンハイム空港から30分ほど電車で移動した先のトロンハイム駅の近くにあり、トロンハイム駅は海岸線に面しています。駅から内陸側に15分ほど歩くと、ニーダロス大聖堂というノルウェー国王の戴冠式を執り行う、大きな教会があります。トロンハイムはこのニーダロス大聖堂を中心に栄えており、クリスマスマーケットなどが行われる商店街や大型ショッピングモールもニーダロス大聖堂のすぐ近くにあります。

トロンハイムは建物の高さに法律で制限を設けているため、ニーダロス大聖堂の塔が最も高く、街のどこからでも見ることが出来ます。そのため街の景観が良く整備され、日本人が想像する、カラフルな外壁に三角屋根の大きな家が並ぶ北欧の街のイメージにぴったりと合う街となっています。そして、ニーダロス大聖堂の近くを流れるニデルバ川を渡り、少し上った丘の上にノルウェー科学技術大学(NTNU)があります。

私が訪問研究員として在籍したSINTEF ENERGIはノルウェー科学技術大学の敷地内にあります。SINTEFとは研究に特化した会社組織であり、SINTEF ENERGIはその中の一つの組織です。母体は国立大学であるノルウェー科学技術大学とノルウェー工科大学です。そのためSINTEFは研究設備として大学の設備を利用することができます。大学の悩みの一つである研究設備の稼働率を上げることができる一つの方法ですね。一方で、SINTEF単体では敷地もなく、大型の設備の導入は難しいため、大学の持っているものを使うしかないという言い方もできます。またインターンシップの受け入れがあったり、社員が直接学生を指導したりと交流が非常に盛んです。

大学の教員と近い環境で仕事をするというという印象を受けましたが、大学の教員との最も大きな違いは、研究プロジェクトは会社が方針を持って決めるという点です。個々の社員がプロジェクトを自分で立ち上げることもできますが、それと共に、会社から与えられるプロジェクトもあるということです。
また私がいたチームは国際色が豊かであり、ノルウェー出身の研究者は半分以下で、北米、南米、アフリカ、アジアと世界中のあらゆる地域から集まった研究者で構成されていました。そのためランチのときも含めて、社内公用語は英語です。

有名な話ではありますが、ノルウェーは勤務時間が短く、SINTEFの社員は大体9:00~9:30に出勤し、16:00には会社の入り口は施錠をされIDカードを使用しないと建物に入れなくなります。そして18:00にはほとんど人がいないという状況になります。帰宅後に仕事をしている方もいらっしゃるので、一概には言えませんが、少なくとも会社にいる時間は日本より短いと思います。
以上がトロンハイムとSINTEFの紹介です。いつもと違う組織の中に入って仕事(学問)をすると、自分の働き(学び方)方や組織の在り方、また他の組織の良いところや、逆に自分がいかに恵まれているかを改めて感じ、考えることができます。そういった意味でも外の組織で働くこと(学ぶこと)にチャレンジすることはよいのではないでしょうか。

先端エネルギー工学専攻HPの管理者

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