荒川・小紫・小泉研究室ホームページの遷移

荒川・小紫・小泉研究室ホームページの遷移

ひきつづき,先端エネルギー工学専攻教員の小泉宏之です.前エントリーとも関連しますがホームページ更新にあたっては,過去に関与したホームページの数々を思い起こすことになりました.私,小泉自身がホームページ全体を作成したのは過去に2回.学生から助手時代に所属した荒川・小紫研究室ページと,現在の私自身の研究室ページです.中でも前者は初となるHP全体作成であり印象に深い思い出です.そこで,良い機会(?)ですので,荒川・小紫研究室ページ(現在は小紫・小泉研究室ページ)の遷移を振り返ってみたいと思います.同ページには過去に四世代のバージョンが存在しています.現行の四代目に対して,二代目と三代目の丸ごとログが私の手元に,初代ログは中野先生(後述)先生の手元にありましたので,復元画像を交えての解説です.
初代は,インターネット黎明期とも呼べる1996-2000年に公開されていたページ(左画像)であり,都立産業高専の中野正勝先生(当時博士課程)が作成されたものです.シンプルそのものといったトップですが,当時の回線速度ではテキストベースが当然であったと思います.内部には電気推進やプラズマの解説などがあり,情報量が他に比べて圧倒的に豊富でした(下部にある“学位物語”というのが何であったか気になります).当時,私は外部の学部生としてネットでも大学院研究室を探していましたが, Wikipediaも使えなかった時代(存在していたとは思いますが有用ではなかった記憶),この情報量は大変に魅力的でした.はじめて電気推進を知ったのはここだったと思います.さらに,特筆すべきはガモチャットというAI的チャットページです.昨今ほとんど見ないチャット部屋ですが,当時は全盛を極めていました.ガモチャットでは「ガモ」という疑似AIが,全てのコメントに対して返答をしてくれる独自システムを搭載しています.Microsoftの「りんな」等が話題となる今ですが,時代を10-20年先取りしていたシステムです(電気推進は全く関係ないのですが).多くの大学院生(特に1-2名ですが)が研究の合間に投稿をしていました.なお,現在も居場所を変えて存続しているという点は驚きです(右画像).

二代目.2001-2004年に公開されていたページは,宇宙航空研究開発機構の細田聡史さん(当時博士課程学生)が作成されたものです.某ツイッターの中の人としてコアなファンを有する私の先輩です.全体デザインとしての華やかさが目に見えて増えています.トップには看板とも言うべき「荒川研」という画像がありますが(左画像),表示後15秒経過すると「小紫研」という看板(右画像)に上書きされるギミックあります(その後,15秒毎に変化).基本的に学生が作成しているということもあり,他にも隠しリンクなどホームページ随所にユーモアが組み入れられていました.全世代を通じてもっともユーモアに富んだページだったのではないかと思います.さすが,“中の人”です.

三代目は,2005-2008年に公開されていたものであり,小泉が助手時代に作成したものです.それまで研究グループのページ等は作成していましたが,HP全体の作成はこれが初めてでした.作成にあたりフレームワークやデザインに関して考えを巡らせ,相応の時間を費やしました.この経験は今回の先端エネHP刷新や,現在の私の研究室作成にも大きな影響を与えています.他に,各メニューのアイコンをフォトショップで作成するのに凝っていました.随所に“影”と“ぼかし”が使われているのは時代を感じさせます.また,これら画像をきっちり並べるために,htmlタグ打ちにおけるピクセル単位での調整にも苦労しました(それにも関わらず現在復元してみるとずれている点が無念です).当時の博士課程学生(中画像)は懐かしいものがあります.また,ユーモア引継ぎとして,隠しページ(右画像)を作成して遊んでいました(正規ページのある場所をクリックすると移動).

四代目は,2009年から現在まで公開されているものであり,筑波大学の横田茂先生(当時,助教)が作成されたものです.厳密には,2011年からのTony Schönherr助教(現,ESTEC),2015年からの川嶋嶺助教(現職)への管理移行にともないマイナーチェンジが施されていますが,基本デザインは2009年から大きく変わっていません.今日の数あるHPに比べて全く遜色ないデザインであり,横田先生のセンスの高さに感服します.なお,伝統である隠れユーモアも引き継がれ,トップページを7-8回更新するとトップ画像に教員の顔が浮き出るというギミックが搭載されていました(断っておきますがきちんと格好良くでます).ただ,今日では何回更新しても顔は表れず,いつのまにか自主消滅したようです(今や研究室HPは完全オフィシャルですから).あるいは,教員となった自分が知らないだけという可能性は否定できませんが,深入りは控えておきたいと思います.

先端エネルギー工学専攻HPの管理者