光る、“核融合“に向けたプラズマ!

光る、“核融合“に向けたプラズマ!

ここ最近、急に気温が下がってきました。秋がやってきた感じですね。秋になると夏より太陽がやさしく感じられて、僕はこの季節がすこぶる好きです。こんにちは、井(いのもと)研究室修士1年の鈴木です。さて、太陽は心理的には身近な存在ですが、物理的には遥か遠くに存在します。井研究室では主に実験を通して、はるか遠くの太陽の物理を地表に引き摺り下ろした、地上の太陽とも言われる“核融合“に関連した研究開発をおこなっています。

研究室での実験では核融合反応は生じませんが、柏キャンパスのプラズマ合体実験装置UTSTを使い、プラズマを生成して実験をします。プラズマの生成からプラズマ実験の完了まではわずか1msにも満たない間に終わってしまうので目での観察はできません。代わりに高速カメラやプローブの“目”で確認し、実験結果の解析を行います。

写真はつい先日僕がセッティングした高速カメラで撮影したプラズマの様子です。発光が強すぎて何も見えなかったり、見える範囲が狭くて何がおきているかわからなかったり…。ちょっと手間を割いた撮影のうち、この写真は比較的綺麗な写真です。写真で白い部分は高いエネルギーのプラズマが存在することを示しています。1枚目ではプラズマの生成段階で、上下に薄ぼんやりとしか存在しません。2枚目の写真では“磁気リコネクション“と言われる現象がおきたことで、高いエネルギーの放出による横一筋の強い発光が確認できます。3枚目では磁気リコネクション後のプラズマが漂い、このあとは発光が減衰していきます。僅か500μsでの出来事です。また、奥に見える縦や横の直線の形状の黒い影は、もう一つの“目”であるプローブです。プローブは自分の欲しい実験データに合わせて自作され、研究室の遺産として蓄積されていきます。

井研では太陽を物理的に身近にするため、日々試行錯誤しながらプラズマ実験、研究を行なっているのでした。

先端エネルギー工学専攻HPの管理者

0 Comments

Leave a reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*