社会人博士のすゝめ

社会人博士のすゝめ

こんにちは、山田研博士1年の宮前です。私は元々2020年に先端エネルギー工学専攻を修了した後、日系のシンクタンク・コンサル会社へと就職しました。その後、社会人3年目で元いた研究室に社会人博士として戻ってきました。社内の規定上、裁量労働可能な職位まで昇給しないと社会人博士には行けないということだったのですが、無事昇給し博士課程に戻ってこられました。
今回は社会人博士になってみてわかった、メリット・デメリット、そして在学中や博士課程入学までにやっておけば/おいて良かったことを簡単にお伝えしたいと思います。

メリット
まず、働きながらということで、お給料をいただけます!もちろん、博士課程でもDC1・DC2や、その他奨学金制度等があります。しかし、あくまで個人的な見解ですが、過去2〜30年間支給額がほとんど変わっておらず、倍率や要求される事を鑑みると、いささか足りていないのではと考えております。参考までに、これは所属する会社にもよると思いますが、私は現状DC1で貰える額の2〜3倍くらいのお給料をいただいております。もちろんお金が全てはなく、研究に専念できるという意味でDC1の方が優れている点もあると思いますが、あえてピックアップさせていただきました。
(写真は最近食べた美味しいものです。社会人になり、こういうものにお金を使うことへの抵抗がなくなりました。美味しいものでストレス解消が最強!)
もう一つ、社会人経験を経て良かったと思った点は、広く社会のニーズなどをみれたことです。職業柄、環境・エネルギー関連の調査を通して様々な方の意見を聞くことがありますが、そこで自分の研究分野はどういう評価を受けていて、今後どうしていく必要があるかなどを身を持って経験することができました。これが研究テーマに直接結びつくかはまだ未定ですが、是非取り入れていきたいと考えています。

デメリット
忙しいです!会社側でも多少の配慮はしてくれていますが、それでも普通に定時まで働いて、日によっては少し残業しないと終わらない量の仕事を振られます。これはコンサルという業種が元々労働時間長めの業界であるため、仕方ないかと思われます。ただ、仕事で疲れている時に研究を進めるのは中々に大変です。

やっておくべきだった事(後悔した事)
社会人博士を初めて、最初に想定と違ったなと思ったのが、想像以上に授業の単位を取得するのに労力を割いたことです。6単位取得のための3コマ+必修の輪行1コマを平日の日中、仕事を中断して受けるのは、脳の切り替えも必要ですし、かなり大変でした。ですので、将来的に社会人博士を選択肢として考えている方がいらっしゃったら、ぜひ2年生の冬学期からでも1、2コマ授業を取ることを強くお勧めします。
また、会社に入ってからの実務経験の中で、ほとんど数学や物理学と触れ合わなかったので(私の場合数字と向き合うのはエクセルくらい。数式も本当に簡単な微分方程式程度でした)、そこら辺の感覚が大分鈍っているのを痛感しました。週末に教科書眺める程度はしておけば良かった...

やっておいて良かった事
研究室との関わりを積極的に持ち続けたことです。ラボの節目の飲み会には参加したり、ラボの先輩とTwitterで絡んだりと簡単なことですが、重要だったと思っています。やはり最後は人との繋がりということで、そういうのがあると戻る時もかなり戻りやすいです。

つらつらと書きましたが、民間企業でも大学でもテレワークという形態が一般的になってきた昨今、社会人博士はやりやすくなっていると考えております。博士進学と就職の二元論で考えるのではなく、両方という選択肢も視野に入れてみるのも良いのではないでしょうか。

もし興味のある方いらっしゃいましたら相談広く受け付けております。

先端エネルギー工学専攻HPの管理者

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