リモート実験参加

リモート実験参加

こんにちは。山田研究室博士2年の横山達也です。
核融合プラズマの崩壊現象を解明することを目的に、機械学習の手法を用いたデータ駆動型アプローチを駆使して研究をしています。

私が所属する山田研究室では、主に岐阜県土岐市の核融合科学研究所(NIFS)にある大型ヘリカル装置(LHD)で実験を行い、その結果を解析しています。
以前のブログ(11月20日)では、NIFSでの実験の様子をお伝えしました。
今回の実験は2月はじめの緊急事態宣言下ということで、リモートで実験に参加しました。

通常であればLHDの制御室の席につき、多数のモニタに表示される計測データを見ながらプラズマの状態を把握し、同じく制御室にいる研究者・技術者の皆さんと相談しながら実験を進めていきます。
リモートの場合、まず制御室まで行くことがないので、場所は自宅の机です。PCを起動してヘッドセットをつけ、準備完了。普段から在宅での研究が多いので、ここまでは毎朝のルーティンのようなものです。
まずはZoomを立ち上げ、制御室内のアナウンスとモニターに映る映像を配信しているミーティングに入ります。「放電まであと…秒です」というアナウンスが聞こえてくると、制御室にいるかのような臨場感があります。
続いてMicrosoft Teamsを立ち上げ、今日の実験を行う実験グループの会議に入ります。制御室にいて実験オペレーションを担当する先生方とこれで連絡を取り合いながら、実験を進めていきます。
さらに今回の実験では、事前に設置しておいた機器を使ったプラズマ制御を試みました。NFISに整備されているVPN(Virtual Private Network)にアクセスし、SSH接続を使って制御用のコンピュータを操作しました。
画像は,そんな実験中の私のPCの画面です.

NIFSではコロナ禍以前からVPNや実験データサーバが整備されており、これらにZoomやTeamsを加えて、遠隔地からでも円滑に実験に参加することができます。そのお陰でこの一年、活動が制限される中でも、比較的スムーズに自分の研究をすすめることができました。

とは言うものの、Zoomで配信されるのは制御室にある多数のモニタのうち、一番大きいモニタのものだけ。そもそも自宅や研究室では、一度に使えるPCやモニターの数も限られます。リアルタイムで見ることができる情報は、実際に制御室にいるよりも少なくなってしまいます。

リモート実験は難しさもありますが、このコロナ禍に限らず、海外からの実験参加やどうしても忙しくて出張できないような場合にも使える、非常に便利な手段です。
一方で、どうしても現場での実験参加には敵わない面もあります。実験室でたまたまそこにいた人と同じモニターを見ながら議論をしていて、新しい視点を得られることもあります。

早く、再び制御室で実験に参加できるようになってほしいものです。

先端エネルギー工学専攻HPの管理者

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