CLOVERプロジェクト関連機関との研究交流

CLOVERプロジェクト関連機関との研究交流

こんにちは,堀藤本研修士1年の宮原です。
今回はCLOVERという国際プロジェクトの一環で行なった欧州の諸大学・企業の訪問および研究交流について書きます。

CLOVERは機械制御システムに関して学際的に研究を行うことを目的とした,欧州の9の大学・企業,メキシコの大学,そして東京大学(すなわち堀藤本研究室)からなるプロジェクトで,研究者を互いに派遣し合い共同研究を行なっています。
本年晩夏,われわれ堀藤本研究室メンバーは,研究交流と将来的な共同研究に関する意見交換のためにベルギー・オーストリアの4大学・企業を訪問しました。
じつは今回の渡欧に併せて本プロジェクトと関わりはないが研究室として以前よりつながりのあるベルギー・ドイツ・オーストリアの4つの研究室を訪問したのですが,本記事では紹介を割愛します。

それでは訪問の様子を写真とともに順次ご紹介します。


Tennecoは自動車のアクティブサスペンションなどを開発・販売する会社で,ベルギーのシント=トロイデンという街にEU開発本部があります。アクティブサスペンションというのは自動車のボディとタイヤの間につけるクッションみたいなもので,これがアクティブということは乗り心地がとてもよくなりそうですね!
堀藤本研究室ではインホイルモータを用いた乗り心地改善制御に関する研究も行っており,二者の興味の焦点が合っています。今後の共同研究の予感がしますね。


Siemensの自動車電動化や自動運転などに関する研究所は同じくベルギーのルーヴェンという都市にあります。この都市には制御の分野では有名なKU Leuvenという大学があり,実は今回われわれが訪問した部署はもともとLMSという会社で,この大学のスピンオフだったそうです。
ここでもSiemensと堀藤本研究室は互いの研究紹介を行い,そしてのちの10月にはSiemensからひとりの研究者の方をひと月ほど柏に招き堀藤本研究室の実験機で共同研究を行ないました。


オーストリア第2の都市グラーツには,TU Grazという大学とAVLという企業があります。グラーツは天文学者のヨハネス・ケプラーや物理学者のエルヴィン・シュレディンガー,電気技師のニコラ・テスラなど名に覚えのある人々のゆかりの地です。物理学者のルートヴィッヒ・ボルツマンもグラーツで研究をしていたそうです。ところで今月新しい国際単位系SIが国際度量委員会に承認され来年施行される予定ですが,この新しい単位系ではボルツマン定数が定義値とされるそうです。

TU GrazのInstitute of Automation and Controlから,外部の自動車メーカーと協力したapplication-orientedな研究や,IoTネットワークの制御の研究などの紹介をして頂きました。

AVLはパワートレインの開発・試験・シミュレーションを行う企業です。外部の自動車メーカーが公道で試験を行う前のベンチテストも担っており,自動車を屋内で仮想的に走行させる実験室や,-30~50℃でテストを行うのチャンバーの見学もさせて頂きました。

以上が今回の訪問の紹介となります。今回の本プロジェクトの交流を踏まえて,今後学際的な観点から共同研究を行なっていければと思います。

先端エネルギー工学専攻HPの管理者

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