模型ざんまい

模型ざんまい

ここ何日か模型を作っている。と言っても、秋休み(そんなものあったっけ?)でプラモデル作りにいそしんでいるわけではなく、風洞実験用の模型の製作である。柏キャンパスにはマッハ7のスピードを出せる超高速の風洞があり、全く同じ状況とは言えないけれど(現実はもっと速く、厳しい)、人工衛星が大気圏突入する時に、どんな感じになるかを調べることができる。日大、東工大、岡山大、阪大、北大、JAXA宇宙研などの研究室で集まってチームを作り、傘のように広げて使う大気圏突入用の空気ブレーキ(エアロシェル)の研究開発をしていることを前に書いたけれど、次期飛行実験として2020年度に国際宇宙ステーションから10cm×10cm×30cmの超小型衛星を放出してもらうことが決まり、そのための開発を急いでいる。何回かのブレストを経て、ようやく衛星の形が見えてきた。で、冒頭の模型作りの話になる。はっきり言って、これは楽しい。人が決めたのではなく、自分たちでデザインした形の模型を自分で作って調べるのだから。模型は小さいけれど、老眼、何するものぞ、である。
とりあえずできたので初公開。左が太陽電池パネルを開いた衛星の様子(空気抵抗を稼ぐために間に膜面を張っています)、右が太陽電池を捨てて、大気圏に突入する最後の姿(骨だけ作って、まだ耐熱布を縫い付けていません)。実験前の今は、手のひらに乗せて好きなだけ眺める。大気の縁を飛ぶ我が衛星の勇姿を想像すると、思わず笑みがこぼれる。
というわけで、以上、鈴木宏二郎でした。

先端エネルギー工学専攻HPの管理者

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